イルミネーションの問題点

 イルミネーションの問題点として、電力消費の増大などが謳われていますが、最もその問題が顕著なのが光害と言えるでしょう。光害とは過剰または不要とされる光がもたらす公害のことです。イルミネーションは住宅で使用される照明とは違い、その目的を景観づくりや広告におきます。これらは不必要ともいえる光と捉えることができ、イルミネーションによる光害は近年盛んに討論されてます。
この光害がもたらす影響は様々です。
一番顕著に表れるのが、天体観測への影響でしょう。イルミネーションにより大量の光が発せられる影響で夜空は自然な状態よりも明るくなります。イルミネーションの光は星の光を弱め、肉眼で見れる星も見れなくなることがしばしばあります。天体望遠鏡で観測する星への観測鮮明度に影響が及ぶのは必須です。このように天体までの空間を光でさえぎってしまうイルミネーションの光は、天体観測への研究に非常に大きな影響をもたらしているといえます。
これ以外に生態系への影響が問題視されています。例えば、湖のそばの公園をイルミネーションで照らしている場所があるとします。イルミネーションで湖の周りが明るくなり、その湖に住む魚が水面に上がってくることを拒むのです。その結果、水面の藻を食べなくなり、赤潮などの発生の可能性を高めます。赤潮の発生は、生息する魚を全滅させる危険があるのです。また、夜行性動物の生体リズムを狂わすことも主に言われている問題の一つです。イルミネーションが頻繁に施される街路樹などは、通常では夜間浴びない光を自然に反して浴びている状態にあるため、紅葉の時期がずれたりしている例も挙げられているほどです。
このように、イルミネーションは美しい様相を備えている反面、電力消費過大による消費エネルギー問題や、自然生態への影響などそれが残す問題は少なくありません。地球にやさしく、自然生態にもより優しいイルミネーション分野の研究が今後必要と言えるのではないでしょうか。

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