イルミネーションの目的
クリスマスが近づいてくると、各地でイルミネーションが輝きだします。クリスマスはご存じの通りイエスの生誕祭。クリスマスイルミネーションはイエスの誕生を祝う聖なる灯りなのです。クリスマスに輝くイルミネーションの光はイエスの世を照らす光、世界中の人々に宿る心の光、太陽の輝きを 表しています。クリスマスキャンドルにも同じ意味があり、教会や仏閣などの神聖な場所には、暗闇を照らし魔を祓う神聖な炎として必ずロウソクを灯します。中国でも旧正月に魔を祓うために爆竹を鳴らしたり、日本でもロウソクを灯す場所は神聖な場所ですよね。そして、もともとはロウソクを使っていたのが、火災の危険性のために電飾をかざるようになったといいます。(クリスマスの起源参照)
もともとは宗教的な意味を持っているイルミネーションですが、現在は集客のために各地で大規模なイルミネーションが行われています。もともと日本にも灯篭などの灯りの演出があり、「灯りの美学」の概念はありました。ホテルやレストランなどで客寄せの趣向のひとつとして始まったイルミネーションですが、やがて東京・表参道のように並木全体に施すものも生まれ、現在は個人でもイルミネーションがお手軽かつリーズナブルに楽しめるようになり、「灯りのインテリア」として定着しました。人々は今も昔も変わらず、暗闇を照らす灯りに安心感と神聖なものを感じているようです。
イルミネーションの人を集める事例については枚挙にいとまがなく、ラスベガスのエンターテインメイント性の強いイルミネーション、見本市の誘致に成功しているフランスの都市、リヨン、京都の秋から冬にかけての風物時夜間拝観などがあります。ラスベガスはギャンブルで有名な都市ですが、その巨大な光のアーケード「フリーモント・ストリート・エクスペリエンス」は多くの人を楽しませています。ラスベガスはもともと麻薬と売春の都市と言われていたくらい寂れていた町でしたが、この巨大アーケードは古い街の再生のために考案されたものです。LEDで敷き詰められたこのアーケードは高さにして27メートル、長さは約450メートルとなっており、アーケード型の巨大ディスプレイとなっています。夜8時になるとこのディスプレイに盛大な音響とともにエンターテインメント性あふれる映像が映し出されるという仕組みになっています。このアーケードの登場によって麻薬と売春といった街のイメージは一新され、観光客が絶え間なく訪れる街へと変貌を遂げたのです。