イルミネーションの起源

イルミネーションの起源は諸説あるそうですが、いずれもドイツのようです。一説によると、イルミネーションの起源はまだ電気のない16世紀にさかのぼり、宗教改革で知られるドイツのマルティン・ルターがクリスマス・イヴのミサの帰りに森の常緑樹の中に美しく輝く夜空の星を見て感動し、それを子供たちに伝えるためにモミの木の周りにロウソクを飾ってその景色を再現しようとしたのが、イルミネーションの始まりと言われ、そしてそれを描いた絵画によって普及したとも言われています。しかし木の周りにロウソクを飾るのは火災が起きて大変危険なため、時代とともに電飾にかわってきたそうです。ルターの時代から100年後の17世紀初期、ドイツでクリスマスツリーの風習が定着し、同じく17世紀の中期にツリーにろうそくを飾り始めました。1746年、アメリカにクリスマスツリーを伝えたのもドイツからの移民です。そのツリーに最初に電気の灯りを飾ったのは、アメリカの発明王・エジソンの共同経営者だったジョンソンという人物でした。

こうしてイルミネーションの明かりは、ロウソクから電飾に移り変わっていきました。また、イルミネーションの起源はルターではなく、あるきこりによるという説もあります。またある一説では、ルター以前に、永遠の生命を象徴する常緑樹に、ロウソクだけでなくいろいろなオーナメントを吊るし、木にやどる精霊に自らを守ってもらうことを祈りながら、その周りを歌い踊る習慣があったとも言われています。現在でも、ドイツのフランクフルトやニュールンベルグなどではクリスマスマーケットの光を中心にとても賑やか。日本におけるイルミネーションの普及は、明治時代に舶来品を扱う明治屋が銀座に進出したことがきっかけとされています。年々派手になるイルミネーションに多くの人々が訪れ、1905年(明治38年)の新聞には「例年になくイルミネーションが花やか」との記事が見られます。当時、光源には豆電球やムギ球が用いられたそうです。

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